正社員になったのに、なぜ私は転職を考え始めたのか
大学を卒業したあと、私はすぐに仕事に就かなかった。
いわゆる「内定ゼロ」だったわけでも、「夢を追っていた」わけでもない。
ただ、何となく、動けなかった。
実家暮らしで、朝起きても特に予定はなく、昼近くまで寝て、テレビをつけて、スマホを眺めて一日が終わる。
同級生たちは、4月から会社に通い始め、名刺を持ち、研修が大変だとか、配属が決まったとか、そんな話をしていた。
私はそれを、少し遠い世界の出来事みたいに聞いていた。
家族は何も言わなかった。
でも、言われないからこそ、居心地が悪かった。
「何か仕事しなくちゃいけない」
その気持ちだけが、部屋の中でじわじわ膨らんでいった。
最初の仕事は「選んだ」というより「流れ着いた」
ある日、思い切って派遣会社に登録した。
正直に言えば、キャリアを考えて、というより、
「とりあえず外に出る理由が欲しかった」
それに近かったと思う。
最初に紹介された仕事は、工場の事務だった。
希望していた仕事ではなかった。
華やかさもなければ、将来につながる感じもしなかった。
でも私は、その仕事を選んだ。
選んだ、というより、断る理由を考えるのが面倒だったのかもしれない。
この時点では、「ここで何年も働く」なんて、想像もしていなかった。
「いつかは、ちゃんとした仕事に就かなくちゃ」
その気持ちは、ずっと頭の片隅にあった。
仕事は、意外なほど楽しかった
働き始めてみると、仕事は思っていたより楽しかった。
指示されたことをきちんとやる。
ミスを減らす。
周りの人の負担を減らす。
当たり前のことを積み重ねていくうちに、少しずつ信頼されるようになった。
「ありがとう」
「助かったよ」
その一言が、思った以上に嬉しかった。
私は、仕事を頑張ることが嫌いではなかった。
むしろ、成果が分かりやすい環境は、心地よかった。
派遣社員から正社員へ
気がつけば、3年が経っていた。
派遣社員として働いていた私に、正社員の話が出た。
正直、驚いた。
でも同時に、「報われた」という感覚もあった。
ちゃんと働いていれば、ちゃんと見てくれる人もいる。
そう信じられた瞬間だった。
正社員になった日は、少し誇らしかった。
やっと、みんなと同じスタートラインに立てた気がした。
正社員になって数日経った日の朝ごはんを食べているときに
お母さんに、「正社員になったよ」っとボソッと、
なんともないこと風に伝えた。
母が、「本当に〜。よかった〜。よかった〜。」って喜んでくれた。
静かに親孝行ができたなって嬉しく感じた。人生でも大きな満足感を感じた
瞬間だったと思う。
正社員になった途端、何かが切れた
ところが。
正社員になってしばらくすると、私は不思議な感覚に襲われた。
燃え尽き症候群、という言葉が一番近い。
あれだけ目指していた「正社員」という肩書きを手に入れたのに、
次の目標が、何も見えなかった。
毎日会社には行く。
仕事もできる。
評価も悪くない。
それなのに、どこか落ち着かない。
理由の分からない焦りが、ずっと胸の奥にあった。
転職を意識し始めた、いくつかの重なり
仕事に慣れ、自信がついてきた頃、環境が少しずつ変わった。
私に仕事を教えてくれていた先輩が、上司になった。
それ自体は、よくある話だと思う。
でも、そこで違和感が生まれた。
マネジメントがうまくない。
判断が遅い。
仕事の割り振りも曖昧。
そのしわ寄せが、じわじわと現場に来る。
仕事の量は増える。
責任も増える。
でも、裁量は増えない。
「この人の下で、私は何年も働くんだろうか」
そう考えたとき、急に息苦しくなった。
行き詰まり感と、将来への焦り
この会社にいて、成長できるのだろうか。
この先、どんなキャリアが描けるのだろうか。
答えが見えなかった。
嫌いな上司、というより、
「尊敬できない上司の下で働き続けること」
それ自体が、耐えられなくなっていた。
私は、初めて「転職」という言葉を、現実的に考え始めた。
キラキラした言葉ばかりを追いかけていた
そこからの日々は、今思い返すと、とても分かりやすい迷走だった。
大企業。
マーケティング。
コンサルタント。
商社。
響きのいい言葉を並べて、求人を検索する。
募集要項を読む。
必要なスキル、経験、語学力。
そして、静かに落ち込む。
「今の自分には、全然足りない」
そう感じて、ブラウザを閉じる。
これを、何度も、何度も繰り返した。
「検索してはやめる」を繰り返した数年間
転職エージェントに登録する。
たったそれだけのことが、なぜかできなかった。
怖かったのだと思う。
現実を突きつけられるのが。
「あなたには、この仕事は無理です」と言われるのが。
結果として、最初の一歩を踏み出すまでに、2〜3年かかった。
その間、私は何度も自分に言い聞かせた。
「せっかく正社員になれたのに」
「ここまで築いた信頼と実績を捨てる意味はあるのか」
冷静になったつもりで、
実は、ただ立ち止まっていただけだった。
こちらの記事も合わせて参考にしてみてください。
方向性を変えた理由
あるとき、考え方を変えた。
「いきなり外に出なくてもいいのではないか」
まずは、社内でできることを探そう。
そう思った。
社内異動の可能性を調べ始めた。
今いる場所から、少しでも違う経験ができるなら。
少しでも視野が広がるなら。
誰にも言わず、社内異動に手を挙げた
ここで、私はひとつ決断をした。
嫌いな上司には、何も言わない。
水面下で、社内異動の募集に手を挙げた。
正直、後ろめたさもあった。
でも、自分の人生を守るためだと思った。
そして、そこで思わぬ壁にぶつかる。
社内異動なのに、職務経歴書が必要だった
社内異動であっても、
職務経歴書が必要だった。
しかも、英語版。
頭が真っ白になった。
これまで、言われた仕事をこなしてきただけ。
自分の経験を、どう整理すればいいのか分からない。
何が強みで、
何が評価されてきたのか。
初めて、自分のキャリアを真正面から見つめることになった。
職務経歴書は、最大の難関だった
後になって思う。
異動でも、転職でも、
一番の難関は、職務経歴書だ。
どう経験を棚卸しするか。
どう強みを見つけるか。
どう言語化するか。
そして、
応募する仕事と、どう結びつけるか。
「即戦力でありながら、成長できる人間」
そのストーリーを、どう描くか。
特に自分がどんな人間か、どんな経験をして来たのか、この先何をしたいと野望を持っているのか、棚卸しする作業は本当に苦しく、涙を出しながら繰り返し行った記憶がある
ただ、ここを一度しっかり行っておくことで、この後はとても楽に進められる。
追加 英文レジュメ テンプレートあり
この部分については、別の記事で、徹底的に深掘りしたい。
なぜならこれは、
私自身が、数回の社内異動と転職を通じて、
最も上達し、最も得意になった分野だからだ。
ここから先の具体的な話こそ、
「みんなが一番知りたいところ」だと思う。
ここから先は、今後くわしく
- 実際にどんな職務経歴書を書いたのか
- どんな視点で経験を整理したのか
- 何を捨て、何を強調したのか
- なぜそれが通ったのか
私が派遣社員から外資系3社を渡り歩くことができた、実際の英文レジュメの構成をテンプレート化しました。本気でキャリアを変えたい方は、ぜひこちらを手に取ってみてください。
派遣社員から準富裕層になるまでにキャリア・資産形成で実践してきたことを
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